実体経済は苦戦、しかし投資の世界はすでに回復
コロナショックの影響により、2020年4-6月のGDPは、史上最大級の下落幅となりました。飲食・アパレル・観光など多くの業界で厳しい状況が続いています。
一方で、株式市場において主要指標である日経平均などは、すでに新型コロナウイルスの影響が出る以前の状況に戻しています。銘柄を個別に見れば、コロナウイルスの影響により大きく上げたものもあれば、大きく下げたものもありますが、全体では「おおむね戻った」という状況と言えます。日本全国でみると、実体経済は、かなりの苦戦。しかし、投資の世界では、すでに以前の状況に戻った。ということでしょう。
観光が主要産業の1つである沖縄県においては、新型コロナウイルスの県内経済における打撃はかなり大きいものになっています。すでに大きな影響が出ているホテル・運輸・飲食という直接的な業界だけでなく、菓子製造・レジャー産業そして不動産関連業も、ジワジワ影響が出始めています。
移動のシーズンを襲った新型コロナウイルス
いまさらいうまでもありませんが、3月4月は、進学・就職や転職・転勤などで都道府県をまたいでの移動が多くなる時です。新型コロナウイルスの感染者が増え、社会に影響が大きく出始めたのは3月に入ってからでしたので、今年の移動状況はどうだったのか、のデータを見てみましょう。
まずは、東京・大阪・名古屋の3大都市圏から。
図は、総務省統計局が毎月公表している「住民基本台帳人口移動報告」の中にある、三大都市圏に転入した日本人の数、2019年と2020年を比較したものです。
どの都市圏も2019年に比べて、2020年の転入者数は減少しています。とくに、東京圏では、大幅な落ち込みになっています。ちなみに、転入者と転出者の差をとった、転入超過数は、東京圏では半減しています。つまり、「出る方は予定通り出ていき、例年に比べて入って来ず」という状況だったわけです。
では、沖縄県はどうだったのでしょうか?
上図は、沖縄県における2019年・2020年の転入者数の比較です。
3月は例年に比べて転入者が増えました。これは、県外から戻ってきた方が多かったのかもしれません。また、4月以降転入者数は減少しています。
それでは、県内の移動はどうだったのでしょうか?
大きな傾向は見られませんでした。
新型コロナウイルスの影響は、いろんな所に見られます。ここまで見てきたような人口動態においても、多少の影響があるようです。