新型コロナウイルスの影響で進む、戸建住宅への回帰

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テレワークはどれくらいの企業が実施しているのでしょうか?

近畿圏でのデータがありましたので、それを見てみると、緊急事態宣言下のテレワーク実施率は、25.8%でした。5月に入ると若干低下傾向にあり、今後も新型コロナの感染者数の抑制が続きさえすれば、全体のテレワーク実施率は更に減っていく可能性もあります。

しかし、今回のテレワーク普及により、労働生産性や働き方の多様性確保の面で、日本社会に中長期的なメリットをもたらすとの認識も確実に広まりつつあります。そして、大企業などでもテレワークが継続的に実施されているのも事実です。
テレワーク普及を受けて、昨今、マスコミなどでも紹介されている通り、郊外の戸建住宅への注目が集まっています。テレワークにより長時間自宅に滞在することになったため、住まいについて一層深く考えるようになり、通勤時間よりも、どこで、どのように仕事をするか、そして、自宅での時間をどう快適に過ごすかに価値観を置こうとする人が増えているようです。これが社会的なムーブメントとして、経済面でのマイナスを払拭するくらい、戸建て価格に影響を及ぼすことも十分に考えられそうです。 直近の中古戸建成約データをみると、4月-6月は、季節要因的に元々取引件数・成約件数が少ない時期に加えて、新型コロナウイルスにより不動産会社等が営業活動を自粛しているため、取引件数は少なっています。

しかし、すでに緊急事態宣言は解除され、営業自粛が少しずつ緩和されてくると、今後徐々に戻り始めるとみられます。価格についても、自粛ムードから通常モードになると、この間の溜まっていた需要が沸き起こってくる可能性もあり、コロナが落ち着いて通常に戻った頃は、テレワーク需要とも相まって、戸建住宅の取引が活発になる可能性もあります。