賃貸住宅を探す方が物件を選ぶ思考の流れを、考えてみます。
まず、「○○辺りで、家賃○○くらいの物件に住みたい」と大まかな目途を付けます。そして、サイトなどで、これら2項目を中心に入力して、物件検索を行います。そこで、いくつかの物件に目をつけて、該当不動産会社(客付け会社)に連絡し内見を行う、という流れです。いま述べたように、多くの方は、○○辺り、○○万円くらいと、ある程度の幅を持たせて物件探しを行います。
では、家賃はどれくらいまで上昇可能なのでしょうか? それぞれの状況により異なりますが、概ね1割弱増くらいが上限だと言われています。5万円ならば、5万5千円以下、6万円ならば6万5000円程度、といった具合です。ここでの、家賃上昇を許容する要因ですが、立地での許容よりも、設備の許容が大きいものです。
それでは、家賃が高くなっても欲しい設備とは何でしょうか?
図1は、リクルート社が賃貸住宅契約者に聞いた「次に引っ越すときに欲しい設備は?」というアンケートです(首都圏のデータ)。
このアンケートはファミリー、カップル、単身と3つのカテゴリー別ですが、生活スタイルの違いからそれぞれ少し趣向が異なりますが、上位は、エアコン、独立洗面台、セキュリティー関連、温水洗浄便座、などが並んでいます。
このデータのサンプルは首都圏での契約者ですから、生活様式が多少異なる沖縄県ですべてがあてはまるとは思いませんが、昨今沖縄の生活様式は、急速に本土化しています。そういった視点では、「そのうち、スタンダードになる」と思います。
上位にランクインしている「温水洗浄便座」、商品名では、「ウォシュレット」や「シャワートイレ」ですが、沖縄県の普及率は、全国平均の半分以下で、都道府県別ではダントツの最下位です。
5年前の総務省調査では、1位滋賀県2位富山県・・と続き10位までは普及率が70%を超えています。全国平均は64%で、沖縄県は24%で最下位です。46位の高知県が48%ですから、これだけ差がつくのは、もはや文化の違いといえます。
さらに、「文化の違い」がはっきりと出ているのが、セキュリティー関連設備の普及です。
図2は、建物建築年別の沖縄県と全国のオートロックの普及率を比較したものです。
この表を見ると2010年頃までは、オートロック付き物件は、3割以下ですからまだまだ珍しい物件でした。近年、沖縄県においてもオートロックを備えた建物が増えてきましたが、それでも約半数という状況です。
沖縄県においても今後の賃貸住宅では、「セキュリティー関連設備が充実していること」、「トイレは温水洗浄便座であること」は、必須になるとこは間違いないと思います。
その分建築コストはあがりますが、「入居者から選ばれる賃貸住宅」でなければ、空室確率、家賃下落確率が上がりますので、賃貸住宅契約を行う方は時流を読んだ投資が必要だと思います。