路線価4年連続でプラス
7月1日に、国税庁から、路線価(価格時点は1月1日)が発表されました。路線価は、ご承知のとおり相続税や贈与税の算定基準となる地価で、価格時点が同じ1月1日の公示地価とは、少し価格に開きがあります。
今年の路線価は全国平均で1・3%のプラスとなり、平成4年以降で初めて4年連続でプラスとなり、昨今の不動産市況の好調ぶりが分かる結果となりました。都道府県別にみると、上昇は19、下落は27、(横ばい1)となっていますが、下落のうち22のエリアでは下落幅の減少となっています。全国トップの銀座5丁目の文具店前の地点ではバブル期を超え、過去最高を3年連続で更新する結果となりました。
地方都市の方が、高い伸び率を示す路線価
次に、各都道府県の最も路線価の高い地点の伸び率のベスト15位を見てみましょう。
1位は、沖縄県那覇市久茂地、国際通りの地点です。なんと、前年比プラス39.2%となっています。2位は大阪府北区角田町 梅田の御堂筋の地点で、プラス27.4%、3位は神戸市中央区三宮 センター街 の地点でプラス25%、4位は京都市下京区の地点でプラス24,7%となっています。
しかし、今年の伸び率では、ここからは地方都市が続きます。5位大分市、6位熊本市、7位札幌市、8位仙台市となっています。一方、東京のトップは先ほど述べたとおり、路線価は全国トップですが、伸び率はプラス2.9%にとどまっています。このように、路線価も公示地価と同じように、伸び率が高いエリアは、大都市ではインバウンド観光客が急増しているエリアと地方中核都市になっていることが分かります。
詳細は、下記の図表をご覧ください。
路線価は公示価格の約80%?
都市部と地方部で異なるようですが、概ね公示地価の80%程度が路線価となるようです。
路線価は、基本的には土地相続等における課税対象価格を算出するためのものです。なぜ、公示地価の80%という目安が路線価に設けられているのでしょうか?
売り手と買い手の事情や情勢に応じて、実際の取引価格が公示地価を下回ってしまう可能性があるかもしれません。例えば、公示価格と路線価を同じ値になると、相続税の評価額である路線価が、取引価格よりも高くなり、課税額が過剰になる可能性があります。このような場合に、納税者の負担が過剰になってしまうのを防ぐために、路線価は公示価格の80%を目安としているようです。
沖縄最高地点の路線価の上昇を振り返る
沖縄での路線価最高地点だった久茂地3丁目国際通りの路線価の推移を見てみましょう。
図2は2006年から2019年までの推移です。2013年頃からジワリと上昇し始めて、近年一気に上昇していることがわかります。
これを上昇率でみると下記のようになります。
那覇中心部の地価上昇は現在、かなり顕著になってきています。今後もしばらくつづく見込みです。
(参考)
路線価の見方
路線価は、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格で、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」を見て算出します。また、一般的に立地条件がよいとされる角地は加算率をかけることで評価額は高くなり、間口が狭ければ間口狭小補正率をかけて評価を低くするなどの調整がされています。
地図上に例えば、3890と記載されていると、その道路に面した土地の評価額は¥389,000となります。
路線価の見方は、国税庁のHP http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htmに詳しく説明がありますので、参照ください。