データでみる小世帯化が進む沖縄県

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沖縄県の小世帯化が進んでいます。

社会学における近代化は、農村・漁村などに代表される職住一体の共同体生活(ゲマインシャフト)から、都市部への移動を伴う、職住分離生活(ゲゼルシャフト)への移行です。
本土においては、1960年代に著しくこの傾向が見られました。農村・漁村に住む、次男・三男は、職を求めて生家を離れ都市に向かいました。1964年に東京オリンピックが開催されますが、その前の東京の大改造は大量の人員を必要とし、そしてこうした人材が担い手となりました。
こうして1世帯、つまりひとつ屋根の下に住む人数が減り始めます。この傾向は、沖縄県においても見られます。

沖縄県 一般世帯数における1世帯当たりの人員数推移|資産活用総研 大鏡建設

 上図は、1960年以降の全国と沖縄県における1世帯あたりの人員数の変化を示したものです。
全国・沖縄県とも、1960年代から一貫して減少しているのが分かります。
 全国では、1980年代後半に世帯数が3人を切ります。世帯当たりの子供人数の減少だけでなく、晩婚化、未婚率の上昇などが主な要因です。
 沖縄県で、世帯数が3を切るのは1990年代の後半です。全国から遅れること約10年ですが、確実に世帯人数は減っています。

沖縄県 一世帯数の推移|資産活用総研 大鏡建設

 2015年現在の沖縄県の世帯数は約56万世帯です。1960年代は20万世帯、1980年代前半に30万世帯を超えます。1990年代半ばに40万世帯を超え、2008年頃に50万世帯を超えます。1990年代から、世帯数の増加は加速している事がわかります。

都道府県別 世帯数の増減比較|資産活用総研 大鏡建設

沖縄県の世帯数の増加は日本の都道府県の中でダントツのトップです。人口増に加えて、核家族化、小世帯化が進んでいることが要因です。
47都道府県中42の都道府県で世帯数は増加していますが、すでに大幅な人口減少が進む県では、世帯数も減少しています。この先、いまの勢いで人口減少が進むと、小世帯化は進んでもそれを人口減少が上回り、世帯数も減少し始める都道府県が増えると予想されています。こうした流れが顕著になるのが、2023年以降とされています。沖縄県における世帯数の減少はの見込みは、これからかなり先の予測で、2045年頃とされています。

 いうまでもありませんが、世帯数の増減は、住宅需要に影響をもたらします。
世帯数が増えれば需要が増えます。現在の沖縄県は、そうした状況にあり、その傾向はこれから20年近く続くことになります。