古い街並みを残して、味わい深い街に住みたい?それとも、古い建物を取り壊して新しく生まれ変わった街に住みたいか?
ヨーロッパの街並みなどを見ていると、古いたたずまいを残こすことに価値を見出すととともに、一方でその建物をリノベーションして現代の生活環境にあったものにしています。
日本では、こうした発想の街づくりが、京都などの一部地域を除いてあまり行われていません。
東京・大阪・名古屋の3大都市は(もちろん沖縄も)、戦禍がかなり大きかったため、建物の多くは戦後に建てられたもので、復興のさなかに、多くの街が、計画性のないまま街づくりが行われました。こうした背景からか、(つまり、残しておく価値のあるものではないという、)古いものは壊して新しく街を作り替えることが合理的だと判断しているのかもしれません。
京都などを除いて、地価の上昇しているエリアは、街の新陳代謝(つまり、古いものが壊されて、そこに新しい建物がどんどん建つ)が進んでいるエリアだと言えます。沖縄中心地も例外ではありません。
では、沖縄県ではどれくらいの数の建物が取り壊されているのでしょうか?
下記図は2012年~17年の沖縄県における、住宅の取り壊された数です。
毎年それほど大きな変化はなく、毎年1200件前後の数の住宅が取り壊されています。
次の図は、住宅着工数と除去数の割合をしめしたものです。
まず、地震からの復興中である熊本県は、ずば抜けて高い割合です。
沖縄県は一定の新築着工件数があるため、除去数があっても割合では低くなっています。