最新基準地価データを読み解く

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今回は9月18日に発表になった2018年基準地価について考察してみましょう。
 公示地価と同じく基準地価でも、住宅地において沖縄県は全国で一番の上昇率を示しました。

2018年基準地価の概要

基準地価は各都道府県が主体となって不動産鑑定士が評価した土地価格を国土交通省が取りまとめて発表されるものです。基準地価は民間企業等が土地取引をする際の指標になります。(その年の7月1日が価格時点となります。)

今回の発表では、全用途において前年対比で27年ぶりのプラス(上昇)となりました。
とくに地方中核都市や外国人観光客に人気のエリアなどで大きなプラスとなりました。
商業地(全国)は4年連続のプラスとなりました(プラス1.1%)、また住宅地(全国)はマイナス0.3%でした。今年も三大都市圏は引き続き上昇していますが、それ以上に4大中核都市(福岡、広島、仙台、札幌)で商業地9.2%、住宅地3.9%と大きな伸びを見せたのが特徴と言えます。

全国の都道府県別基準地価

それでは、都道府県別に詳しく見て参りましょう。

平成30年基準地価(住宅地)|資産活用総研 大鏡建設 沖縄

図1は基準地価(住宅地)の都道府県別の前年増減比を大きい順に並べたものです。最も伸びたのは沖縄県でプラス4%。続いて東京都の2.4%、福岡県の1.1%となっています。逆の地価が安くなったのは秋田県でマイナス2.4%、三重県のマイナス2.0%と続きます。

 続いて商業地の都道府県別ランキングです。

平成30年基準地価(商業地)|資産活用総研 大鏡建設 沖縄

最も伸びたのは、訪日外国人が多い京都府でプラス7.5%、同じくアジアからの観光客の多い沖縄県でプラス7.3%と、どちらも驚異的な伸びを示しています。
19の県でプラスになっており、大都市だけでなく地方都市でもプラスになっていることがわかります。逆にマイナスなのが秋田県、岩手県、福井県と人口減少が続き、また訪日外国人が少ない県になっています。

4つの地価の特徴

地価と言えば、3月に発表される公示地価が最もポピュラーですが、他にも路線価や固定資産税評価額などがあり、それぞれ少しずつ異なる値となっています。

 各々の特徴をまとめたのが、下の図表(図3)です。

4つの地価比較|資産活用総研 大鏡建設 沖縄

 基準地価以外の地価の価格時点(いつの価格か?)はすべて1月1日となっています。基準地価は7月1日ですので、ちょうど中間点ということで、途中経過をイメージすることができます。また、調査主体が4つとも異なっています。

一般論ですが、公示地価と基準地価は同じ価格水準で、路線価や固定資産税評価額はその70~80%程度の価格になっています。(例外地点もあります)このことから、地価は1物4価と呼ばれています。

一物四価|資産活用総研 大鏡建設 沖縄

地価上昇の勢いは大都市圏では緩やかになってきましたが、好調な不動産市況は地方都市に波及しています。

大都市部では価格の天井感が見えてきましたが、地方都市ではもうしばらく上昇する見込みです。そのため、2019年の基準地価も上昇の可能性が高いと思います。