1月~3月は、就職、進学、転勤などに伴い、新たな家選びが最も盛んな時期です。
また、この時期に引っ越しが集中するため、引っ越し費用が急に割高になる時期でもあります。少し前に目にした記事では、最近の人手不足を反映して、引っ越し業務従事者の数が足りなく、「引っ越しを頼もうとしても、空いてる日時がない」と言われることも増えているそうです。また、大手引っ越し業者はこの繁忙期は 「提携関係にある企業などを優先する」とはっきりと明言しています。
今回は、家を借りようとする方が、賃貸住宅の部屋探しをするときに、何を重視して「家選び」を行うのか?を考えてみましょう。
図表1は、住宅を借りる際のポイントについてのアンケートをまとめたものです。
(各人3つまで選択可能としているので、合計は100%を超えていることに留意ください。)
集計によると、アンケートに回答した8割の方が、「賃貸住宅を借りる際に家賃について重視する」と答えています。
まずは、いくらまで出せるか?について検討して、それにより物件のフィルターをかけるようです。
つづいて、交通の利便性、周辺の生活環境といった、どちらもある程度賃料に影響のある項目が並びます。
交通の利便性については、首都圏・関西圏など都市圏において(つまり日常的に公共交通利用の場合)は、①駅からの利便性(距離・時間)と②通勤・通学地までの交通利便性の2つが主な要素となります。
沖縄県のような基本的な移動手段が車の場合は、中心部からの距離が重要となります。また、沖縄県内では中心部に近い、新興開発エリアは概して人気が出ます。
周辺の生活環境では、買い物や飲食利便性等が重視されるのだと思われます。
土地活用として賃貸住宅を建てる場合、周辺環境は単独では大きな変化は望めません。しかし、周辺環境から、どんな方々(入居希望者)の入居が見込めそうかは検討がつきますので、それに応じた間取り・設備グレードにすることが求められます。また、賃料にかんしては、周辺相場を管理会社が把握していますので、需要が見込めるエリアにおいては、無理をしない範囲で賃料設定を行えば、空室確率は低いと思います。
次に賃貸住宅の建物・設備に目を向けると、セキュリティシステムの充実が最も上位で、続いて構造(耐震性)について重視されます。
また、子供を持つ女性が育児をしながら働く、ということも珍しくなくなってきたことで、「子供がもし病気になった時などにすぐ帰れる」ことを求める夫婦が増えてきました。
つまり、自宅の近くの保育所に子供を預けて、夫婦共働きに出るというスタイルですので、「住まいの近くに保育園がある」ということが重要視されてきています。
図2は都道府県別の最寄の保育所までの距離が200m未満の住宅(貸家)が占める割合を示したものです。
これを見ると、沖縄県は全国でもっとも自宅近くに保育所がある可能性が高い県です。全国平均倍近い数字でTOPになっています。
また、那覇市においてはさらにいい数字となっています。
このように、保育所が近くにあることはDINKS世帯が賃貸住宅選びの大きなポイントになってくることは間違いないと思います