首都圏のマンション価格の上昇にも陰りが見えてきました。下図は、不動研住宅価格指数(2014年までは、東証住宅価格指数と呼ばれていたものです。)の動きをグラフ化したものです。グラフの縦軸が指数(2000年1月=100)。
図3
不動研住宅価格指数は、中古マンションの売買価格を基に指数化したもので、2か月遅れで公表されますので、2017年6月分が最新です。
積算価格の色合いが濃い新築マンションの価格と異なり、中古マンションは相対取引ですので、価格が市況を反映しやすいと思われます。
これを見ると、首都圏総合、東京とも2017年5月、6月ともマイナスになっています。
確かに、東京では、2016年の秋ごろも数か月続けて前月比マイナスとなっている時がありますが、今回のマイナスはそれよりも大きな落ち込みです。
また、指値幅が大きくなってきています。とくに1億円を超えるマンションでその傾向が顕著のようです。
指値とは、公募価格(チラシなどに書かれている募集価格)に対して、購入希望者が「●●●●万円で購入したい」と値段を指すことを意味します。チラシやサイトに掲載されている金額では、それほど値下がり感が見えてこないかもしれませんが、実際に成約に至った金額はそれよりも低く、その差が大きくなってきているようです。
図4
図4は沖縄県における中古マンションの成約価格(平米単価)の推移です。
これを見ると、2013年以降、右肩上がりで価格上昇が起こっていることが分かります。
平米単価は35万を超え、70㎡に換算すると2450万円ということになります。これは近畿圏、愛知県の平均を超えています。いまの沖縄のマンション市況はかなり高騰していると言えます。
新築マンションにおいても、坪単価が200万円を超えるものも発売されており、なかなか沖縄県民の所得では手が出にくい水準といえるでしょう。しかし、高額(坪単価)なマンションもエリアによっては売れ行きが芳しくなく、新築マンションでは今くらいの水準が高値のピークだと推測されます。
また、県内の中古マンションにおいても2017年に入って2四半期ともマイナスになっており、こちらもピークを迎えていると推測されます。