前回述べたように、2017年の地価公示が発表され、住宅地における前年からの伸び率で沖縄県がトップとなりました。
昨年は上昇率3位でしたが、震災復興県が上位2県でしたので、純粋には2年連続のトップと言っていいでしょう。
都道府県別では、住宅地においては東京都以上に伸びを示していることになります。
県内南部の住宅地は那覇・浦添エリアにとどまらず、最近では豊見城・宜野湾エリアの開発が進み、マンション、商業施設が増えています。
こうした開発は、「まだまだこれから」という段階で、今後も続きます。
さらには、南部・中部の米軍基地の返還がスムーズに進めば、返還地の開発が始まり、この開発ラッシュに拍車がかかることになるでしょう。そうなれば、しばらくの間、沖縄県が地価上昇日本一の県という状況が続くかもしれません。
図2
図2は沖縄県の地価公示(全用途)を示しています。
表のように、沖縄県における地価上昇は2013年以降5年(5期)連続で上昇しています。特に今年の上昇率は5%と大幅上昇となりました。
県内全体で5%ですから南部の中心地の上昇率はかなりの数値になっているものと思われます。
不動産の価格は需要と供給のバランスで決まります。
あまり高くなりすぎても「買えない」となってしましますので、値段には限界があります。しかし、不動産価格の面白いところは、消費財ではないので、資産としての上昇期待があるということです。
不動産の価格形成は、そのものから得られる効用に加えて、希少価値、有効需要の3つの要素があります。これらの複合的な組み合わせで価格は決まりますが、今の沖縄県下ではこれらの価値が高まっているということでしょう。
図3
図3は1983年から現在までの沖縄県における地価公示の推移です。
1980年代後半からのバブルの上昇が目立ちます。
ピークは1991年で、その後、ミニバブル期を除いて、なだらかな低下を続けていましたが、ここに来て5年連続の上昇となっています。
また、大都市圏と同じように、1980年代の地価よりも現在の方が高くなっています。
地価だけで見ると、3大都市(首都圏、関西圏、名古屋圏、福岡圏)と同じような動きを示しています。