3月21日に2017年分の地価公示が発表されました。
2017年の地価公示では、9年ぶりに住宅地(全国)がプラスになったことがメディアで大きく報じられました。
0.002%とわずかなプラスですが、リーマンショック前以来の9年ぶりということで不動産市況の活況ぶりがうかがえます。
全国の住宅地の値がプラスになった背景としては、やはりマイナス金利政策の影響による住宅ローンの低金利、そして住宅ローン減税が効いているようです。
さらには、低金利政策が続く中で、投資資金の行先として大都市部の賃貸住宅投資にお金が流れ、住宅投資が活況になっていることなどが住宅地地価上昇につながっているようです。
県別でみると、図1のようになります。
図1
図1は、住宅地の地価公示における前年比を表しています。
全国では「0」となっていますが、細かく示すと、0.0022%でした。
前年からの上昇率のトップは、沖縄県の3%です。
2位3位は震災復興が影響している宮城・福島県です。昨年はこの両県が1位2位、そして沖縄県が3位でしたが、今年の沖縄県では震災からの復興中の両県を上回る伸びを示しました。
上昇を示したのは10都道府県に留まり、残り37の道県の地価(住宅地)は下落しています。
約18000ある全国住宅地の標準地で、上昇地点と下落地点の数を比較すると、下落地点が多くなっています。全国の値では上昇していることを踏まえると、価格上昇と下落の二極化が進んでいることが鮮明となっています。
3大都市圏では2014年以降からプラスになっていましたが(大阪の2014年は僅かにマイナス)、全国算出でのプラスは不動産市況の盛り上がりをうかがえます。大都市だけでなく、地方中核都市でも市況は活況のようです。
一方、商業地(全国)は、2年連続でプラス。
昨年よりも上昇率は高く、プラス1.4%(前年は0.9%)となりました。
商業地においては、三大都市の上昇もさることながら、地方大都市の上昇が目立ちました。
都道府県別の増減率を見ると、震災影響の県を除いては、人口動態が地価の上昇下落に大きく影響していることがうかがえます。
日本全体ではすでに人口減少は始まっていますが、首都圏や沖縄県をはじめ、増え続けている県もあります。
また、直近の人口動態だけでなく、将来の人口(世帯数)予測も大きく影響しているものと思われます。
改めて、地価と人口(世帯数)は密接な関係があるということが実感されます。