好調続く、県内中古マンション市況。その実態を検証する

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不動産市況を測る指標の1つは、中古マンションの売れ行き状況、価格推移を見ることだ。

特に、居住用不動産(実需用不動産、あるいは自用の不動産という)においては、最もオーソドックスな指標と言っていいだろう。

2009年より公表が始まった住宅価格を指数化した不動研住宅価格指数(スタート時は東証住宅価格指数と言っていた)は、中古マンションの売買(成約)価格をベースとして算出されている。この住宅価格指数は、アメリカで公表されているケースシラー指数と同じ算出方法であるが、ケースシラー指数は中古戸建物件の売買価格をベースにしているという点で異なる。日本において、中古市場の大半がマンション市場であるという現実を鑑みて、指数算出のためのデータ数を考えると、しかるべき処置ではないかと思う。

 前置きが長くなったが、マンションの販売状況から不動産市況を見てみよう。

図1
首都圏中古マンションの推移|資産活用総研 大鏡建設

図1は、首都圏における中古マンションの価格の推移を示している(右図)。

これを見ると、はっきりと2013年ごろからの価格上昇がみてとれる。
平米単価で2013年1月と2016年12月では約10万円強上昇した。坪単価で約33万円。一般的な3LDKタイプ70㎡換算では、700万円価格が上昇したことになる。
首都圏全体でこれだけ価格上昇しているわけだから、都心の一等地の上昇はこれの倍以上にはなると思われる。また、左図は成約件数だ。これをみると、春先の件数が例年多いことが分かる。

 次に沖縄の中古マンション市場を見てみよう。

図2
沖縄県 中古マンションの平米単価|資産活用総研 大鏡建設

図2は、2013年から2016年末までの沖縄県内の中古マンションの平米単価を示している。

これを見ると、2015年の後半に一時的に価格低下する様相を見せたが、それ以外は右肩上がりで県内の中古マンション価格は上昇している。2013年1月と2016年末では、約9万円と首都圏と大差ない上昇幅だ。

図3
沖縄県 中古マンションの成約価格|資産活用総研 大鏡建設

図3は成約価格の推移だ。

これを見ると、上昇感がよくわかる。

2013年初と2016年末を比べると、720万円程度も上昇している。
上昇単価は首都圏と変わらないと先ほど書いたが、平均単価は首都圏の半分程度なので、上昇率で考えると、首都圏の倍近く、つまり都心の一等地並みだと考えられる。

  沖縄県内のマンションは南部に集中し、近年では宜野湾をはじめ中部エリアでも増えてきた。
新築マンション供給は続くものの、中古マンション市場も高値圏が続くことが予想される。