沖縄県への転入者は、どの県が多いのか?

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 沖縄県は、他県からの流入者が多い県と言われている(人口対比での多さ)。 

以前にも書いたが、那覇市は平成25年のデータでは、人口対比4.77%と、全国で12位となっている。

 転入の理由としては、就職、転勤、が多い。

東京都や大阪・京都などは、これらの理由に加えて進学があげられるが、大学・専門学校数が少ない沖縄においては、進学での移動は少ない。

 言うまでもないが、転入者の多くが、賃貸住宅に住む。もちろん、富裕層が高級マンションを購入して、移り住むというようなこともあるが、絶対数では、「始めは賃貸住宅に住む」という方が圧倒的だろう。
 
 転入者を都道府県別に見ると、下図のようになっている。平成27年2015年データ。

図1

都道府県別 沖縄県への転入者数|資産活用総研 大鏡建設

1位は東京都からの転入。3位は神奈川県。
人口の多さや企業の多さを考えると順当だろう。

2位は福岡県。九州・沖縄という区割りを採用する企業や公的な団体が多いことから、いまでは最もつながりの強い県だといえる。かつては、インフラなどで強いつながりを持っていた鹿児島県は8位となっており、1000人を下回っている。

余談だが、沖縄本島の主要道路である国道58号線のスタートは鹿児島市内の中心部で、奄美大島を縦貫し、沖縄北部国頭から本島を貫き、那覇港(国場川)までとなっている。

以下、4位は大阪、5位は愛知県となっており、関西・東海の中心都市が続いている。

転入者の多い県とのつながりを見るのに、分かりやすいのは、那覇空港と各地域の空港を結ぶ飛行機の便数だろう。

東京(羽田・成田空港)はダントツで多く、飛行機機材も大きい。次は、大阪(伊丹、関空、神戸の3空港)や福岡空港。それに続くのが名古屋(中部国際空港)となっている。

意外なのは、10位にランクインしている北海道だ。

冒頭に述べたような、転居理由としてあげられるようなことはほとんど考えられない。
その上、企業や行政的なつながりも少ないのに、意外と感じられる。
先ほどの、飛行機で見るつながりでは、直行便はほとんどないと言っていいが、新千歳⇔羽田、羽田⇔那覇はともに便数が国内でも有数の多さとなっているため、意外にも不便はないのかもしれない。
2月には半袖で過ごせる沖縄であるが、北海道は、冬真っ盛りで氷点下の世界という、気候的には全く異国である。沖縄の温暖な気候を求めて、外的要因(転勤、進学、就職・・)での転入ではなく、自発的な内的要因での移動が多いと思われる。

図2は沖縄県への転入者数を年齢別に集計したものだ。

図2

年齢別 沖縄県への転入者数

図3

年齢別 東京都への転入者数|資産活用総研 大鏡建設

 これを見ると、やはり就職(20代前半)、進学(18歳前後)、転勤(20代~30代)が多いが、東京都比較すると、進学での突出が少ない。

 こうしてみると、東京(首都圏)のように、単身での転入が多いわけではないため、ファミリー向けなどの需要も一定数ある。
また、こうした転入者は、いつまでも沖縄県にいるか分からず、テンポラリーな住居として賃貸住宅を借りる方が多いと思われる。こうした方々向けに、高価なホテル使仕様のようなものではない、お手軽な家具付き賃貸住宅を経営すれば、こうしたニーズに応えることができると思う。