賃貸住宅管理の管理形態と所有者の年齢実態

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今回は、賃貸住宅オーナーの状況について分析してみたい。

まずは、法人形態をとっているか、個人経営かのグラフを示したのが図3だ。

(図3)
賃貸住宅の経営形態(家主)

圧倒的に個人経営が多く、8割を超えている。

法人形態にすると、経費などの融通のきくことが増えるが、会社設立には費用がかかるし、毎年の決算業務を税理士に頼むと年間で40~60万円は最低でも必要だ。

そう考えると、かなりの戸数(賃料収入)がないと、法人化する割に合わないだろう。

少なく見積もっても、年間賃料1000万円以上と考えた方がいいだろう。

次にどの業務を外部委託しているかを示しているのが図4だ。

(図4)
賃貸住宅の管理形態(家主)

賃貸マンション経営では、主に入居者募集(~契約)、入居者管理(PM)、維持管理業務(BM)などの業務が必要となるが、このうちすべてを自らで行っているオーナーは全体の9%程度に留まっていおり、逆にすべてを外部委託している割合は、65%を超えている。

賃貸住宅所有者の年齢はどのようになっているのかを示したのが図5である。

(図5)

個人経営者の年齢(家主)

これをみると、賃貸住宅所有者の高齢化が進んでいるのがよくわかる。図5を見ると、個人経営者の約6割は60歳を超えている。

50歳未満の賃貸住宅オーナーは2割にも満たない。

これから、賃貸住宅オーナーの代替わりが進むことはまちがいないだろう。