終活の起点は「住まい」 ― 沖縄の高齢化と、これからの住み替え

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 「終活」と聞いて「しなければいけないこと」をあげれば、相続や不用品の整理を真っ先に挙げる方が多いでしょう。しかし、終活期のベースとなるのは、実は「住まい」です。沖縄県は、いまのところ全国で最も高齢化率が低い「日本一若い県」ですが、これからの高齢化は全国で最も速いスピードで進みます。暮らしの前提が大きく変わる今こそ、高齢化・介護・終活という視点から、沖縄の住まい選びを考えてみたいと思います。

 沖縄県の高齢化率は、2020年時点で22.6%と、全国平均(28.7%)を大きく下回る、都道府県で最も低い水準です。しかし、県の推計によれば、65歳以上人口は2020年の約33万人から2050年には約47万人へと1.41倍に増える見込みで、全国の伸び(1.08倍)を大きく上回ります。高齢化率も2050年には33.6%に達し、およそ「10人に3人が高齢者」という社会が訪れます。沖縄は全国より8年遅い2018年に高齢化率21%超の「高齢社会」に入りましたが、そのスピードはこれから全国随一となるのです。北部圏域や宮古圏域ではすでに27~28%に達しており、県内でも地域差が広がっています。夫婦のみ・単身の高齢世帯が一般世帯に占める割合も、2000年の10.7%から2020年には18.4%へと倍増しました。「家族と同居する」ことを前提とした住まいは、沖縄でも標準とは言えなくなりつつあります。

 かつて「長寿県」として知られた沖縄ですが、直近(2020年)の平均寿命は男性が全国43位、女性が16位まで後退し、男女差は8.37年と全国で最も大きくなっています。一方で、県内の要介護・要支援認定者は、2003年の約3.6万人から2023年には約6.3万人へと1.7倍に増え、認知症の高齢者も5万人を超えました。全国的にも、人生の最期を迎えたい場所として58.8%が「自宅」を挙げますが、実際に亡くなる場所は病院が67.4%、自宅は17.0%にとどまります。判断能力や体力が十分なうちでなければ、住み替えも資産の整理も難しくなります。だからこそ、終活としての「住まい選び」は「元気なうち」の着手が欠かせません。

 高齢期の住まいは、大きく「自宅に住み続ける」か「ホームに住み替える」かに分かれます。自宅は住み慣れた環境で費用も抑えやすい反面、介護度が上がると家族の負担やリフォーム費用が増えていきます。一方のホームは、初期費用こそかかりますが、バリアフリーや見守り体制が整い、家事の負担も軽くなります。ただ、沖縄では受け皿の整備がこれからの段階にあります。75歳以上1,000人あたりの高齢者向け施設・住宅の定員は、全国平均105人に対して沖縄は91人、宮古島などの離島では79人と、いずれも全国を下回っています。実際、県内の有料老人ホームは2011年の215件・定員約4,000人から、2019年には421件・約9,900人へと倍増しました。需要の高まりを映した動きですが、それでも供給は追いついていません。お元気なうちに入る自立型から、介護型まで住み替えられる住まいの充実が、県の大きな課題となっています。

住まいは終活の中核

 最後に強調しておきたいのは、「住まいの選び」が、相続対策や資産整理と密接に連動しているという点です。持ち家を売るか貸すか、名義や相続をどう整理するか──。こうした判断は、いずれも本人の意思と体力があるうちにこそ進められます。とりわけ、これから急速に高齢化する沖縄では、早めの情報収集と準備が何よりも重要です。まずは選択肢を知ることから始め、迷ったら、住まいと相続の双方に精通した専門家に相談するのが得策と言えるでしょう。
大鏡建設(株)相続支援チーム
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