沖縄県の人口
24年10月1日現在の人口推計が25年4月14日に総務省より公表されました。沖縄県の総人口は146万6289人で、前年比で1674人(0.11%)の減少となりました。戦後増え続けた沖縄県の人口は、2022年に初めて人口減少に転じました。以後、3年連続のマイナスとなっています。人口減少率をみれば、前年は0.02%と極わずかでしたが、24年は0.11%と多少インパクトある数字となりました。
日本の人口はどれくらい減っているのか
ご承知のとおり、15年前から日本の人口は減少しております。24年10月1日時点の日本の総人口(日本人+外国人)は1億2380万2千人で、前年に比べ55万人(-0.44%)減少しました。戦後の人口減少は2009年に初めて起こり、その翌年の2010年は微増、翌2011年以後は現在(24年)まで14年連続の減少となっています。このうち、日本人だけでみれば、1億2029万6千人で、前年に比べて89万8千人(-0.74%)減少、22-23年の1年では83.7万人の減少でしたので、24年は減少幅が拡大したことになります。減少幅は、13年連続の拡大となります。
我が国の人口のピークは2008年、1億2808万人でした。2024年の人口はピーク時から420万人減少しているということになります。10年前の2015年は、日本人人口は前年比マイナス24.3万人で、その後減少幅は一度も減ることなく進んでいます。いまの状況が続けば、2026年には(26年10月1日時点)では、減少数が100万人を超える可能性が高そうです。
ちなみに、世帯数でみれば、まだ増加を続けており、将来推計では2030年くらいまで増える見通しとなっています。
人口減少の背景
人口増減の要因を分解すれば、自然増減と社会増減に分けることができます(国籍移動を除く)。
「自然増減」とは出生数と死亡者数の差のことです。「社会増減」とは、国内と海外の移動による差ですが、減少の要因のほとんどは「自然増減」によるものです。
出生数は、大幅に減速しており、また減速スピードは加速しています。24年の出生数は71.7万人、昨年よりも4.1万人減少となりました。第二次ベビーブームでは200万人を超えていましたが、2000年以降をみれば、出生数は減少がつづいていており、2000年は119.4万人でしたが徐々に減少し、2017年には100万人を切ります(96万6000人)。17年以降の出生数の減少は加速していき、8年で30万人以上減少しました。少子化対策はいまのところ結果が見えておらず、2025年は60万人台になることはほぼ確実で、出生数が50万人台になるのも、そう遠くないものと思われます。
その一方で、2024年の死亡者数は初めて160万人を超え、160万700人となりました。戦後、死亡者数が100万人を初めて超えたのが2003年、以後ほぼ増えてづけています。今後は団塊の世代が後期高齢者となることから、寿命を考えると死亡者数は増えることになり、その結果人口の自然減は、この先さらに拡大することは確実でしょう。自然増減で毎年政令指定都市1つ分の人口が減るという状況となっています。
年齢区分別人口
人口減少とともに大きな変化は、人口構成の変化が顕著になってきていることです。
本データの人口構成区分は、~15歳未満、15~64歳、65歳以上に分かれますが、このうち若年層の15歳未満の人口は1383万人で、前年に比べて34.3万人の減少(前年は32.9万の減少)、総人口に占める割合は11.2%で過去最低となりました。
生産者人口とよばれる社会活動の中心となる15~64歳の人口は7372万8千人で、2万4千人の減少、総人口に占める割合は59.6%で、過去70年で最も低くなっています。
一方、65歳以上の高齢者は増え続けています。65歳以上人口は3624万3千人で総人口に占める割合は29.3%と過去最高となりました。また、後期高齢者と言われる75歳以上の人口は2077万7千人で総人口に占める割合は16.8%、つまり6人に1人ということになります。ざっくり言えば、総人口の3割が65歳以上の高齢者という「世界一の高齢化社会」と言われていることがうなずけます。65歳以上の割合(29.3%)は世界で見ても断トツの1位(2位はイタリアの24.6%)です。高齢者人口割合は、先進国では10%代後半から20%程度が多くなっており、群を抜いて高齢者が多い国と言えます。デベロッパーは高齢者用の「シニアレジデンス」の開発に力を入れていますが、こうした人口動態、そして今後も見通しを考えれば納得できます。
また、15歳未満の割合(11.2%)は世界の中でみても、韓国の10.6%に次いで低くなっています。日本の出生率1.20(2023年)は、韓国の出生率0.93より高くなっていますが、日本の出生率もジワジワと低下しており、さらに低下れば、超々高齢化社会になることは間違いありません。
15歳以下の人口の数が少なくなっているということは、単身者が増えている、もしくは夫婦の間に生まれる子供の数が減っているということになります。そうなれば、単身用の間取りの住宅(ワンルームや1LDKなど)やカップル用(1LDKや2DK)の間取りの住宅需要が増えることにつながります。
都道府県別の人口
都道府県別でみれば、人口が増加しているのは東京都と埼玉県の2都県のみでした。昨年は東京都のみでしたが埼玉県が加わりました。三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏:本データの表記)の状況をみれば、3大都市圏合計人口は、全人口の53.3%となり過去最高となっています。1980年台は47%~48%でしたので、5ポイント程度増えています。
東京圏は29.9%で前年比+0.2%となり人口の約3割が住んでいます。名古屋圏は9.0%(6年連続同値)、大阪圏は14.5%で前年比+0.1%となっています。大阪圏は30年前の1995年の時点でも14.5%でしたので、2000年以降の大阪圏の地位低下が言われていますが、人口割合で見れば横ばいという状況がわかります。その一方で、東京圏の人口割合は過去30年(1995年と2024年)で25.9%から29.9%(4ポイント)と増えていますので、集中度合いが伺えます。つまり三大都市圏が増えているというよりも、東京圏が割合が増えているということになります。
都道府県人口変動の要因と生産者人口の割合
都道府県別に自然増減をみれば、自然増の都道府県はゼロです。21年まで自然増が続いた沖縄県も22年以降自然減が続き、その割合も拡大しています。人口が増加した東京都、埼玉県も同様で、自然増減マイナスのなかで、転入者が増えたため人口増となっています
都道府県を跨ぐ移動が要因となる社会増減をみれば、22都道府県が社会増となっています。このうち、社会増減率が多い上位(1~5位)は東京都・埼玉県・大阪府・千葉県・神奈川県で首都圏(1都3県)に人口流入が続いている状況が続いています。