土地活用とは、個人や法人が所有する未利用地や低利用地を活用して収益を上げることです。該当土地のことを、「遊休地」という言い方をすることもありますが、最近では「未利用土地」という言い方が一般化しています。
土地活用の対象地は、15年位前までは「未利用土地」が主流でしたが、「土地活用」が広く一般化し、とくに都市部においては未利用地は大きく減少しており、昨今の「土地活用」では「低利用地」や「活用方法の転換」がメインとなっています。とくに、企業の保有する土地ではその傾向が強くなっています。
ここでは、未利用地や低利用地の土地活用の考え方について解説します。
土地活用の2つの分岐点
土地活用において、最初の分岐点となるのは、保有している「未利用土地」を今後も使うかどうかを検討することです。仮に「使わない」と判断すれば、「売却する」という選択肢となります(売却については、後述します)。
「土地の保有を続け、何かに使う」と判断すれば、土地を「自ら使う」か「他者に貸す」かの選択となります。このうち、「貸す」を選択すれば、「土地を更地のまま貸す」ということになります。「自ら使う」となれば、「土地をそのまま使うか」か「土地に何らかの建物を建てて使う」の選択をします。
未利用地に自用の建物を建てるパターン
最もシンプルな土地活用の方法は自ら使うことです(これを土地活用というかどうかは、わかりませんが)。個人の場合は、自用の住宅(自宅)や別宅、などに使うということです。
企業の場合は、そこに本社(社屋、ビル)や倉庫、工場・・などとして使うということになります。企業の保有する未利用地を自社で使う場合には、既存の他の建物をどうするか、建物利用の統合や併合などを行うか、等々、考えることが多くなり、その内容により企業価値が向上する可能性を秘めていますので、慎重に行いたいものです。その際には、大鏡建設法人担当部門など、CRE(あるいは企業の建築)に詳しい専門家に相談するといいでしょう。
未利用地に賃貸用建物を建てるパターン
未利用地に賃貸用建物を建築、あるいは低利用の土地に建つ建物を建て替えて賃貸用建物を建築する「土地活用の王道」パターンです。
賃貸マンション、テナントビル、店舗、倉庫などを建築して個人や企業に貸して、収益を上げます。企業が使う店舗や倉庫ではテナント企業が建築協力金として一部建物建築代金を負担するようなスキームもあります。この場合、テナント企業のマッチング力がカギとなり、土地活用を依頼する企業の力量が試されます。地域密着性、実績の多さなどが決めてとなることが多いようです。
土地を定期借地として貸す
土地を貸すパターンは、大きく2種類あります。1つは、「土地を事業用として企業などに貸す」と、「土地を自ら運営する賃貸業として使う」というものです。比較的シンプルなのが後者で、たとえば、月極駐車場として貸す、あるいは多少の設備費用が掛かりますがコインパーキングとして貸す、などです。
前者は土地の事業用定期借地権を付与する形で、企業等に貸し、企業はそこに店舗などを建てて運営することになります。事業用定期借地権の期間は借地借家法により、「10年以上50年未満」と定められています。また、例えば借地の上にデベロッパーなどがマンションを建てるような場合に適用される一般定期借地権の期間は50年以上と定められています。
このように、長期にわたり貸すことになり、その間地代が入ってきます。その一方で、長期間自ら使うことはできません。定期借地権契約期間中に売却はできますが、「借地権のついた土地」として売買されますので、更地価格より安くなる可能性が高くなります。
売却する前に
ここまで、未利用土地の活用方法について解説しましたが、最もシンプルなのは、使わないと判断して売却することです。
しかし、特に企業の場合、自社が保有する土地や建物の利用状況、財務内容、事業の今後の展開など、考慮する点が多く、安易に「売却」の選択をして、あとで後悔するようなことがあっては企業価値の向上につながりません。そのため、売却する前に大鏡建設CREマネジメント部門のような専門家に相談することをお勧めします。