確定申告とはどんなもの?賃貸住宅経営と確定申告の概要

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 毎年2月になれば、「確定申告をしなければ・・」と思いを巡らせる賃貸住宅オーナーの方も多いことでしょう。また、「つい忘れてしまった」、「申告期限を過ぎてしまった」という方も少なくありません。特に、今年から賃貸住宅経営を始めた方にとっては、初めてのことですから、「何をすればいい?」、「何からすればいい?」と悩まれる方も多いことでしょう。

 また、これから賃貸住宅経営を始めようとお考えの方も、賃貸住宅経営がスタートすれば確定申告をする必要があります(一部、例外もあります。本文で解説)ので、事前に知っておくと、その時になって慌てることもないと思いますので、ぜひ参考にしてください。

確定申告はどんな方がするものか?

 賃貸住宅経営は、入居者からの家賃や駐車場代その他により収益を得る事業です。事業ですので、利益が出れば一定の税を納める必要があります。

 確定申告においては、賃貸住宅経営による収益は「不動産所得」に該当します。そのため、株での収益がある方、配当がある方や農業収入のある方等と同じく、確定申告をする必要があります。一方で、会社員や公務員などでは、勤め先での都度々々の源泉徴収から年末調整という流れの中で税を「確定」させているため、これらの給与所得のみという方は、確定申告の必要はありません。しかし、給与所得に加えて前述の副収入があった方は、税を確定させるための「確定申告」が必要です。

確定申告と期間

 確定申告は、1年に1度行います。対象となる期間は、1月1日から12月31日までで、この期間内の収入と経費などを申告し税を確定させます。
申告の期間は、毎年2月14日から3月15日(年により変わることもありますので、毎年ご確認ください)。また、確定申告を忘れてしまった場合、(期限が過ぎた場合など)は、罰則として加算税が課せられることもありますので注意が必要です。

確定申告が不要な場合とは

 冒頭に述べたように、給与所得者が賃貸住宅経営を行っていたとしても確定申告が不要な場合があります。具体的には、賃貸住宅経営や株式利益など給与所得以外の所得の合計が年間20万円を超える場合に限り義務となります。それ以下の場合は必要ありません。

 賃貸住宅経営、つまり不動産を貸すことで得られる所得は不動産所得と呼ばれます(ちなみに、不動産の売買からの収益は譲渡所得と言います)。不動産所得は、家賃の収入金額(総収入金額)から経費を差し引いた額のことを指します。このため賃料収入が年間20万円を超えていない、もしくは経費を差し引いてプラスにならず、赤字だった場合は義務ではなくなります。
 しかし、給与所得や不動産所得は損益通算することができます。例えばサラリーマンの方が勤務先からの給与所得と不動産所得を合算するわけですが、不動産所得が赤字の場合、損益通算することで合計の所得を低くし、納めるべき所得税を少なくできる(=還付される)場合もあります。そのため、不動産所得は赤字でも、節税目的のためで確定申告を行う方は少なくはありません。

確定申告のペナルティ

 確定申告は、毎年2月14日から3月14日頃まで(年により、曜日の関係で若干ズレます。ちなみに、2023年分は 2024年2月16日~3月15日です。)の期間内に正確な申告をすることになっています。

 しかし、これに反した場合は、何らかのペナルティが課せられることもあります。
期限までに行わなかった場合についてはすでにお伝えした通りです。また、確定申告の際に、正しく申告されておらず納めるべき税金が少ない場合、あるいは逆に還付された金額が多すぎる場合、どちらとも「過少申告」とみなされ、加算税が課せられます。また、意図的に税額計算の基となること(たとえば、収入や経費をごまかす等)をした場合も、重加算税が課せられます。加えて、税額はきちんと計算されていても税金を納付期限内に納めなかった場合には延滞税がかかります。

 このようなペナルティを受けて余分なお金を支払うことがないように、余裕をもって確定申告の作業・手続きを進めてください。

最後に

確定申告のことで「分からない」など、悩まれている方は、大鏡建設相続支援部までご相談ください。