最新 沖縄県の23年基準地価を読み解く

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 発表された沖縄県の基準地価は、全用途平均で前年比プラス4.9%(昨年は2.7%)、10年連続の上昇となりました。

沖縄県の住宅地の状況

 住宅地は、4.9%の上昇となり、今年も都道府県別では全国ナンバー1の伸びとなりました。住宅地の上昇率が全国トップとなるのは8年連続、伸び率も昨年より増え(昨年はプラス2.7%)、もはや「どこまで住宅地地価上昇は続くのだろう」という状況です。

最新 沖縄県の23年基準地価を読み解く|資産活用総研 大鏡建設

 図1は、コロナショック前の2019年以降5年間の沖縄県と那覇市の住宅地地価の変動率の推移のグラフです。
 これをみれば、2021年以降、沖縄県全体の上昇率の方が、那覇市の上昇率を上回っていることが分かります。

 もう少し長期間で見てみましょう。

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 図2は2001年以降の同グラフです。金融緩和政策が続き、不動産市況が良くなった2013年以降をみれば、2020年までは那覇市の方が上昇率の高い状況が続きます。しかし、ここ3年は沖縄県全体の方が高くなっていることが分かります。

 背景には、すでに那覇市の住宅地地価は高くなっており、相対的に見れば地価の安い地点の方が上昇率の高くなる余地があること。また、離島や北部地域などの開発が進んでいること、などと思われます。

沖縄県の商業地の状況

 沖縄県の商業地地価は、前年比プラス4.8%となりました。こちらは都道府県別では全国2位となっています。上昇率が大きく落ち込んだ2021年から上昇率が徐々に拡大してきました。

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 図3は、コロナショック前の2019年以降5年間の沖縄県と那覇市の商業地地価の変動率の推移のグラフです。

 これをみれば、コロナショック前までの勢いには、「もう一息」という状況ですが、2024年には商業地の上昇率も、コロナショック前に戻るものと思われます。

 最後に、沖縄県の工業地は、前年比プラス10.0%(昨年はプラス12.2%)、9年連続で都道府県別でナンバー1の上昇率となっています。昨年より上昇率は2.2ポイント下がりましたが、すでに地価上昇がかなり進んでおり上昇率の減少は、必然かもしれません。いずれにせよ、県内の工業地は希少価値が高く、今後も上昇が続くことは確実でしょう。