23年地価公示~沖縄県の地価動向~

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 ここからは、沖縄県の動向を見てみましょう。沖縄県の住宅地は、3.6%の上昇(前年はプラス2.0%)、商業地はプラス2.7%(前年はプラス0.7%)、で住宅地と商業地とも10年連続の上昇となりました。

23年地価公示~沖縄県の地価動向~|資産活用総研 大鏡建設
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 沖縄県の調査地点(=標準地といいます)のうち、前年と同じ地点(=継続地点)は、住宅地では123地点のうち上昇122、横ばい1となり、下落はゼロでした。同様に、商業地では59地点のうち上昇52、横ばい7で、こちらも下落地点はゼロでした。工業地では、5地点のすべてが上昇、この中で糸満市西崎町にある標準点では上昇率がプラス25.9%となり、昨年に続いて上昇率全国トップでした。

 沖縄県の最高価格地点は、住宅地では、那覇市おもろまち3丁目の標準点で、38.7万円/㎡(前年から1.3%上昇)、商業地では、那覇市久茂地の日本生命那覇ビルが建つ地点で、で197万円/㎡(前年から2.1%増)となりました。

東京圏との比較

 沖縄県の地価は、2012年以降では、下記グラフのように東京都心部との連動が見られます。

23年地価公示~沖縄県の地価動向~|資産活用総研 大鏡建設
23年地価公示~沖縄県の地価動向~|資産活用総研 大鏡建設

 図をみれば、沖縄県では2005-08年の、いわゆるミニバブル期に上昇は見られませんでした。しかしその後の金融緩和政策が進んだ頃からは、似たように動きとなっています。とくに、商業地においては、観光需要を見込んだホテルの建築が地価上昇を後押ししました。内地企業が積極的に用地仕入れを行ったことが背景にあるようです。

24年の沖縄県の地価の見通し

 24年3月に公表される沖縄県の公示地価は、観光需要が回復していること、住宅価格が高騰しマンション用地獲得競争が激化していることなどから、住宅地・商業地とも23年を超える伸びとなるでしょう。