今こそ知っておきたい! シリーズ:賃貸住宅・不動産投資の基礎知識①不動産投資でのインフレ対応について

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 物価上昇が続いています。なぜ物価があがるのか?
 そして物価上昇時に金利が上がるのはなぜか? また、住宅ローンや賃貸住宅建築ローンなどで利用される固定金利と変動金利がどのようにして決まるのか、その仕組みを解説します。また最後に、2022年後半から顕著になった物価上昇(インフレ)と賃料の関係も合わせて解説します。

なぜ物価が上がるのか

 なぜ、物価はあがるのでしょう?
モノの値段があがるのは、需要と供給のバランスの中で、需要>供給 となる状況が続くためです。逆に、供給量に需要が追い付かなければ価格が下落します。こうした循環のなかで、全体的な物価上昇がおこり、こうした状況が続くことをインフレーションと言います。

 22年春ごろからの物価の上昇は、いろんな要素があり輸入原材料、輸入品の価格が上昇し、そのために企業物価指数(企業間取引)が上昇、その上昇分が価格転嫁された、ということです。先に述べた、需要>供給 が要因ではなく、原材料費の上昇により多くの商品において、「価格を上げざるを得なかった」ということが、昨今の物価上昇の要因でしょう。

インフレと不動産投資について

 物価上昇が目立ち、全国消費者物価指数をみても、気候の変動を受けやすい生鮮食料品を除いたコア指数は4%を超えるようになってきました。インフレ下における不動産投資は、有効なのでしょうか?

 まずは、「インフレとは何か」から考えてみましょう。

【インフレと貨幣の価値のイメージ】

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 インフレとは、物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けることを言います。たとえば、1冊100円で売られているノートがあるとします。これは、この時点でモノの価値と100円は釣り合っていると言えます。しかし、数年後、ノートが1冊120円になると、100円では釣り合わず、ノート(モノ)の価値が上がったということになります。これが、インフレーションです。

 インフレはモノの価値が上昇する反面で、「お金の価値の下落」も意味します。それでは、現金をそのまま保有しているとどうなるのでしょうか?

【インフレ率が3%での仮定】
◆現金で保有していると・・・

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 100万円を仮にインフレ率3%の状況下で現金としてそのまま持ち続けた場合は、1年後に97万円、5年後には85.9万円(マイナス14.1万円)、10年後には73.7万円(マイナス26.3万円)に価値が目減りしてしまいます。

 インフレに弱い資産としては、定額年金、運用性の高い終身・養老保険、預金(特に長期の定期預金)、債券(特に満期までの期間が長期のもの)などが挙げられます。これらはインフレ状況下では価値が目減りしてしまい、実質的に「損」をしたことになります。

 一方で、一般的に、インフレ状況下では、不動産を保有する方が得策と言われています。不動産はモノですので、インフレ時には不動産価格も上昇するからです。そして賃料もインフレに連動します。

◆不動産で保有すると・・・

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 日本は長く、デフレが続いてきましたが、これまでの長い歴史のなかで、物価価上昇に連動して不動産価格や家賃も上昇してきました。

このように、不動資産を持つこと、賃料収入のある不動産を持つことは、インフレ対応になることはまぎれのない事実です。