沖縄県の基準地価が9月20日公表されました。沖縄県が調査し国土交通省から発表されたものです。林地を除く全用途の平均変動率は前年比プラス2.7%(前年1.5%)で、2014年から9年連続で上昇となりました。全用途平均では福岡県に次いで、2年連続で全国2位の伸びとなり、全国全平均は0.3%でしたので、2.4ポイント、九州・沖縄平均では0.8%でしたので1.9ポイント上回ることになりました。
住宅地の状況
沖縄県の住宅地は前年比プラス2.7%で、前年より上昇幅が拡大しました。
図3は2000年以降の沖縄県と那覇市の住宅地基準地価変動率の推移を示していますが、これをみると2017年以降急激に上昇し、2019年が上昇率のピークでした。その後新型コロナウイルスの影響が出て上昇幅は低下しますが、しかしここにきて、再び上昇率が加速しています。
都道府県別にみれば、全国平均はプラス0.1%でした。沖縄県は全国1の上昇率となっています。
その背景には住宅需要が旺盛であることがあげられます。
人口動態をみれば、住宅購入時に差し掛かる30~40歳台の方がボリュームゾーンであること。平均年収が増加していること。移住者やセカンドハウス需要が旺盛な事、などが要因だと思われます。
商業地の状況
次に商業地を見てみましょう。
沖縄県の商業地は前年比プラス1.9%で、前年より上昇幅が拡大しました。
図5は2000年以降の沖縄県と那覇市の商業地基準地価変動率の推移を示していますが、これをみると2017年以降急激に上昇し、2019年が上昇率のピークでしたが、その後新型コロナウイルスの影響が出て上昇幅は低下しますが、しかしここにきて、再び上昇率が加速しています。
しかし、住宅地と比べると新型コロナウイルスの影響が大きく出たことと、回復しているものの、コロナショック前の上昇幅には戻っていないことが分かります。
観光客は、夏以降戻ってきていますが、基準地価の価格時点は7月1日で、「まだ少なかった時期」と言えます。そのため、回復が遅れている、状況となっています。
都道府県別に見れば、商業地の上昇率は全国6位となっています。中心部再開発の進む福岡の伸びが目立っています。
23年の沖縄県基準地価の展望
23年9月に発表される基準地価は、住宅地、商業地とも22年に比べて上昇幅が拡大するものと思われます。
特に商業地は、国内観光客がすでに戻ってきていることに加えて、この先インバウンド観光客も増えると思われますので、上昇率の幅が大きくなる事は確実でしょう。