それでは、次に沖縄県、那覇市について分析してみましょう。
2020年の都道府県別の基準地価において、沖縄県は住宅地・商業地とも上昇率は、昨年に続きトップとなりました。しかし、住宅地・商業地とも地価上昇は続いているものの、上昇の幅は少し小さくなりました。新型コロナウイルスによる影響が強く影響しているようです。
都道府県別にみると、住宅地において上昇したのは、上昇順に、沖縄県(+4.0%)・福岡県・東京都・宮城県・大分県の5つで全国平均では-0.7%となっています。商業地では、11の都府県が上昇しました。沖縄はダントツトップで6.2%、全国平均は-0.3%となっています。
それでは、以下、住宅地、商業地の順に細かく見てみましょう。
沖縄県・那覇市の住宅地の状況
下記図3は、1975年からの沖縄県、那覇市における基準地価の推移です。
上昇幅が多少、少なくなったとはいえ、かなりの高値が続いています。
沖縄県全体でみると、住宅地の基準地価はバブル期と同じくらいまで上昇しています。また、那覇市においても、ここ5年くらいの急上昇でバブル期に匹敵するくらい高値圏に入ってきました。バブル期の頂点に向かう過程は、1980年代初めからゆっくり上昇を続けるというものでしたが、近年の上昇は短期間での急上昇となっています。ちなみに、バブル期に匹敵する地価になっているのは、沖縄県のみです。
2020年に多少上昇幅がおさまりましたが、長期的に変動率をみると、ここ数年の上昇勢いの凄さは、下図図4をみれば、よく分かります。
沖縄県・那覇市の商業地の状況
下図図5は 沖縄県・那覇市における商業地基準地価の推移です。
住宅地と異なり、商業地においてはバブル期の上昇がすさまじかったので、近年続く高騰にもかかわらず、まだバブル期の狂騒には程遠い状況です。
次に、これを変動率で見てみましょう。
沖縄県・那覇市におけるバブル期の地価狂乱は、高い上昇率が長年つづいたことにあります。
2020年は一旦上昇率は落ち着きましたが、商業地においては2022年以降再び上昇する可能性が極めて高いと思います。
(本原稿内の、文章中、図表ともデータは全て国土交通省「令和2年都道府県地価調査」より作成)