最新基準地価を読み解く

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10月19日に国土交通省から、基準地価(都道府県地価調査)が発表されました。

全国の対前年平均変動率は住宅地-0.1%、商業地+1.7%、工業地+1.0%となり、全用途平均では+0.4%となり、2年連続でプラスになりました。上昇基調が強まっている結果となりました。

基準地価とは

基準地価とは、全国の都道府県知事が調査を実施、それらを国土交通省が取り取りまとめて毎年10月半ばに公表されます。国が主体となって行う地価公示とともに、一般の土地取引の指標となるものです。
 地価公示は、毎年1月1日時点の価格です。路線価(相続税の算定基準となります)も1月1日が価格時点で、この基準地価の価格時点は7月1日と、1年の中間が価格時点となっているため、地価の中間発表の様相があります。全国21540地点の地価を算定し、都道府県が主体であるため、地方部も地点が網羅されていることが特徴です。

今年も上昇率1位だった沖縄県

最新基準地価を読み解く|資産活用総研 大鏡建設

図1は住宅地の変動率ランキングを示しています。

 全国平均では-0.1%、前年が-0.3%、前々年が-0.6%でしたから、だいぶ回復してきました。おそらく来年10月の発表分ではギリギリ、プラスに転じるかもしれません。
 プラスになっている地域は15都府県、石川や大分など、地方大都市に含まれないエリアもプラスになりました。最下位は秋田県の-2.0%でした。秋田県は4年前には-4.0%でしたので、だいぶ低下幅が減少してきています。
 沖縄県は、6年連続のプラスでプラス6.3% 昨年が4.0%でしたので、上昇幅は拡大しています。上昇幅2位の東京都が2.5%ですので、ダントツの1位と言っていいでしょう。

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続いて商業地のランキングです。

全国平均ではプラス1.7%、3年連続のプラスで、かつ上昇幅も前年プラス1.1%から大きくなっています。プラスのエリアは、20都道府県でした(ほぼ横ばいを含む)。プラスのエリアは大都市、地方大都市に留まらず、富山、奈良、香川など、地方まで広がっています。
 商業地の最下位も秋田県で、-2.1%でした。こちらも住宅地と同様にマイナス幅は減少しています。

 沖縄県は7年連続のプラスで、プラス12.0%。昨年が7.3%でしたので、上昇幅は拡大しています。全国平均が1.7%ですから、10倍以上の上昇率です。上昇率2位の大阪府が8.7%の上昇ですから、こちらもダントツ1位という感じです。

沖縄県の基準地価の長期推移

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図3は、沖縄県における基準地価(住宅地)上昇率の推移です。

沖縄県では、1980年代後半からのバブル期よりも、復帰後しばらくしてからの1980年前後に地価が急上昇します。住宅地基準地価の上昇は、そのころにも届きそうな勢いで上昇しています。

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図4は、沖縄県における基準地価(商業地)上昇率の推移です。

復帰後、海洋博を経て西海岸沿いに航空会社系列等のホテルがどんどん建ち始めました。こうした流れの中で1980年代前後に急激に上昇しました。その後バブル期にも大きく上昇しますが、住宅地と同じように、1980年代前後の方が大きな上昇になっていました。
 しかし、2013年からの基準地価上昇は、これらを大きく上回るもので、沖縄県の歴史上(占領期のデータはありません)、いまが最も価格上昇期にあると言えます。

 この流れは、しばらく続くものと思います。