賃貸住宅に住む人は全国的に増えています。沖縄県でも例外ではありません。
その理由にはいくつかあります。
「大きなローンを抱えたくない」
「近隣住宅トラブルがあっても、すぐに引っ越せない」
「収入に対する将来不安」といった思いから、本当は自己所有物件に住みたいけれど・・不安、リスク回避という理由。
一方、積極的に賃貸住宅を求める方も多くいます。
収入、貯金もありますが、所有することを求めない。さらに、近年建てられている賃貸住宅のレベルは高く、「賃貸物件の内装や設備はレベルが低い」というのは昔の話になってしまいました。
また、マンションの買い時を待って、現在は賃貸住宅に住んでいるという方もかなり増えています。
沖縄県や東京・大阪といった都市部においては、新築マンション価格はもちろん、中古マンション価格も、空前の値上がり状況です。この状況は、まだしばらく(1年くらいは)続きそうです。
しかし、あと3年後以降はどうなるのか?については、いくつかに見解が分かれています。
「3年後は、今よりもだいぶん下がる」と思っている方などは、購入の意欲はありますが、現在は賃貸住宅に暮らし、安くなるのを待っているのです。
図1
図1は、沖縄県における新築分譲マンション年収倍率の推移を示しています。
新築分譲マンションの価格が県内平均年収の何倍なのかの推移です。これを見ると、2010年頃から右肩上がりに、倍率が上がっていることが分かります。この間、平均年収は大きな変化はありませんから、この倍率上昇は、ほとんどがマンション価格の上昇に起因していると思われます。
一般的な給与所得者(サラリーマン)にとって、平均年収の7倍くらいが、購入する自宅価格の上限と言われていますので、2012年以降5年近くのその水準を上回っているということになります。
「なかなか、手が出にくいなぁ」という水準と言えるでしょう。
それに伴い、県内中心部における中古マンション価格も上昇しています。
近年の沖縄中心部における中古マンション価格の上昇率は首都圏には及ばないものの、関西圏や名古屋圏の水準を超えています。
では、県内の賃貸住宅に住まれる方の年収は、どれくらいなのでしょうか?
図2
図2をみると、幅広い年収の方が賃貸住宅に住んでいることが分かります。
一番多い層は、年収100万円台で26%、続いて年収200万台で21%、そして100万円未満15%と続いています。
一方、県内平均年収を超える500万円台は6%、1000万円を超える方もいます。
このように、巾広く、多くの人々が賃貸住宅に暮らすようになっています。