前回に引き続き住宅着工戸数について。今回は沖縄県においての住宅着工戸数を見てみよう。
1988年から2014年までの沖縄県下住宅着工数の平均は約1万3000戸。
(住宅着工戸数の利用関係の3分類については、前回 住宅着工戸数はこれからどうなるのか?参照)
特徴的なのは、貸家の割合が大きいことだ。例年、沖縄県下で建てられる住宅の半数以上は賃貸用住宅となっている。
さらに、分譲住宅の割合は日本全国の数値の割合と比較してとても少ない。分譲住宅は、建売住宅と分譲マンション等の合計であるが、時折見られる大きく伸びている年は、大型分譲マンションが販売された(着工申請が出された)年であろうか。
貸家=賃貸住宅の割合は常に半数以上あるが、この傾向はまだまだ続くだろう。特に中部~那覇周辺エリアでは賃貸住宅の需要は高まることが予想されており、着工数は増えるだろう。
基地の返還が徐々に進んでいくようだが、その流れが始まると、賃貸住宅数は、加速度的に増えていく。
沖縄県をはじめ日本の地方都市では、そのエリアでの中心に人口が集めってくる“リトルトーキョー化現象”が顕著に見られはじめている。日本各地方都市から東京周辺都市への人口流入はここにきてさらに増えている。地方と東京の格差が大きくなると、職や豊かな暮らしを求めて首都周辺に集まる。
同様に、エリア内でのメイン都市にその周辺エリアから、仕事やより流行的な生活を夢見て若者が移動するという傾向も見られる。
北海道においては、中心都市である札幌とその周辺都市に北海道各地から人口流入が進んでおり、沖縄県においても中部~那覇周辺エリアへの人口集中が進んでおり、この傾向はさらに増えていくことだろう。
このように、今後は都道府県内、エリア地域ブロック内での移動がますます増えると予想されており、この人口流入都市周辺では賃貸住宅のニーズはさらに高まるだろう。