住宅ローン変動金利の動向

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「1%超え時代」に突入した変動金利

 住宅ローン利用者の8割近くが選好してきた変動金利型は、長らく0.3~0.5%という超低金利水準で推移してまいりました。

 しかし、2026年に入って明確な転換点を迎えています。きっかけは2025年12月18~19日の金融政策決定会合における日銀の追加利上げ(政策金利0.50%→0.75%)です。これを受け、メガバンク各行は短期プライムレートを引き上げ、2026年4月適用分から変動金利の最優遇金利を一斉に引き上げました。すでに変動金利で住宅ローンを借りている方には通知が来ているものと思います。

 その結果、大手5行の変動金利平均は2026年4月時点で初めて1%を突破し、約15年ぶりの水準に到達しております。「金利のある世界」が変動金利の領域にも明確に波及した格好です。

メガバンク・ネット銀行の最新金利水準

 2026年6月時点の主要行の変動金利(新規借入時の最優遇金利)は以下の通りです。

三菱UFJ銀行 0.945%
りそな銀行 0.950%
みずほ銀行 1.025%
三井住友銀行 1.275%
(出所:各行公表資料・各種報道をもとに作成)

 メガバンクとネット銀行を通じて、変動金利の相場は0.9~1.1%台に収斂しつつあります。固定金利が10年固定で3%台半ば、長期固定で3%台前半まで上昇したことを踏まえると、変動と固定の金利差は2%ポイント超まで拡大しており、低金利競争を主導してきたネット銀行も含めて、利益重視の姿勢へとシフトしつつあります。

今後の見通しと既存ユーザーへの影響

 日銀は2026年4月28日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置きました。しかし、市場では6月15~16日の会合における追加利上げ(0.75%→1.00%)が「秒読み段階」との見方が強まっております。年内には1.25%までの到達を織り込む観測もあります。

 仮に6月会合で利上げが実施されれば、多くの銀行は次回の基準金利見直しタイミングである10月適用分から、変動金利の基準金利を0.25%程度引き上げる公算が大きいと見られます。ただし、既存の変動金利利用者については、いわゆる「5年ルール」「125%ルール」により毎月の返済額への反映は2027年1月以降が一般的です。返済額が据え置かれる期間中も、内訳のうち利息部分が増え元本部分が減る形で金利上昇は確実に効いてまいりますので、繰上返済や借換えのシミュレーションを早めに行うことが重要となります。
住宅金融支援機構が2026年1月に実施した調査では、住宅ローン利用者の73.7%が「今後1年間で金利は上昇する」と回答し、前回調査から8.0ポイント増加しております。利用者側の意識も急速に「金利上昇前提」へと切り替わりつつあり、変動金利選択者の比率は依然として高いものの、本来は、固定金利への借換需要が一段と高まるとところですが、固定金利も大幅に上昇しており、選択は難しくなっています。